抄録
本研究において著者らは,ロシアの隕石衝突孔,Popigaiクレーターから, NPDに極めて類似した特徴を持つインパクトダイヤモンドを見出したので紹介する.Popigai産のダイヤモンドは,いずれも直径<10~50 nmの極めて細粒なナノダイヤの集合より構成され,グラファイトからの高圧合成によって得られるNPDと類似の微細組織を有することが分かった.しかしPopigai産ダイヤは,全体としてラメラ状の配向組織を示すものが多く,少量共存する六方晶ダイヤとの配向・共軸関係から,結晶性の良い(単結晶様)のグラファイトからのマルテンサイト相転移によって形成されたと推察される.