日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2014年年会
セッションID: R1-P07
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R1:鉱物記載・分析評価
対馬花崗岩の多相流体包有物中の固相の分析
*黒澤 正紀
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キーワード: 流体包有物, 固相, SEM, 花崗岩, 対馬
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抄録
多相包有物の存在は流体の沸騰現象と密接で、沸騰による金属元素の分配が金属鉱床形成に重要なことから、鉱床の形成過程解明に重要な手掛りを与える。多相包有物は多量の塩類や金属元素を含むため、冷却過程で多種類の固相(娘結晶)を析出していることも多い。主な析出物は岩塩(NaCl)であるが、方解石や赤鉄鉱等を含むこともあり、娘結晶の種類は流体の化学組成に対する重要な情報源となっている。但し、国内では花崗岩の多相包有物中の娘結晶の報告は少ない。そこで、今回は、多量の娘結晶を含む多相包有物を多産する対馬の花崗岩体について、SEM–EDSによる娘結晶の観察・分析した。その結果、多相包有物中には、岩塩・カリ岩塩・塩化鉄の結晶が多く認められた。塩化カルシウム結晶は確認できなかったが、鉄炭酸塩(菱鉄鉱)や方解石が認められた。さらに、岩塩やカリ岩塩に混在して、多量のホウ酸も存在することが確認された。
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© 2014 日本鉱物科学会
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