LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
小学校における学校規模ポジティブ行動支援の第1層支援が児童および教師に及ぼす効果
大対 香奈子田中 善大庭山 和貴松山 康成
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 31 巻 4 号 p. 310-322

詳細
抄録
学校での児童の問題行動に対し,叱責などの嫌悪的な対応ではなく,望ましい行動を積極的に教え,承認することで増やし,問題行動を予防する実践であるポジティブ行動支援(positive behavior support: PBS)が最近注目されている。本研究ではPBSを学校規模で実践する学校規模ポジティブ行動支援(school-wide positive behavior support: SWPBS)を公立小学校1校で実施し,児童と教師への効果を検討した。結果,SWPBS実施後に児童の授業参加行動の増加が見られ,また主観的な友人関係に関わる適応感が改善したことが示された。教師への効果としては,SWPBS実施後に教師の称賛の回数は変化しなかったものの,叱責については減少が見られた。以上より,本研究のSWPBSの実践は児童および教師に一定の効果が認められた。今後は対象校を増やした検討が望まれる。
著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本LD学会
次の記事
feedback
Top