2019 年 10 巻 1 号 p. 48-54
総合事業利用者における転倒経験と運動機能の関係を分析し,転倒予防プログラムを作成する際の一助にすることを目的とした.分析対象は65 歳以上の総合事業利用者23 名とした.運動機能は歩行速度,歩幅,TUG,開眼片脚立位時間,SS-5,2 ステップ値,下腿周囲長,握力,両内果振動覚とした.対象者を転倒経験の有無により2 群に分け,比較検討のためにMann-Whitney のU 検定を行なった.本研究における転倒経験者は39.1%であった.群間比較の結果,下肢筋パワーの評価であるSS-5 において有意な差が認められた.転倒群はSS-5 が延長していることから,転倒予防には下肢筋パワーへの介入が重要であることが考えられた. キーワード:筋パワー,転倒経験,高齢女性