保健医療学雑誌
Online ISSN : 2185-0399
ISSN-L : 2185-0399
症例研究
脳性麻痺児における歩行アシスト装具ACSIVE の効果: 三次元歩行分析を用いた1症例研究
伊藤 忠鈴木 光久川口 大輔冨田 秀仁則竹 耕治杉浦 英志佐野 明人
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 11 巻 2 号 p. 136-144

詳細
抄録

無動力歩行支援機ACSIVE を活用した歩行練習が,脳性麻痺児の歩行機能に与える効果について検討することを目的とした.粗大運動能力分類システムのGMFCS レベルⅡの16 歳男児1 名を対象とした.ACSIVE を活用した歩行練習を,週5 日,1 60 分,6 ヶ月間実施した.歩行計測には三次元動作解析装置を用いた.身体機能は,5-chair stand テスト(5CS),Timed Up & Go テスト(TUG),2 分間歩行テストを計測した.歩行練習の前後で歩幅と歩 行速度の増加が認められた.加えて,立脚期における股関節の最大伸展角度と,前遊脚期の股関節屈曲と足関節の底屈モーメント,足関節の産生パワーが増加 した.身体機能については,5CSTUG2 分間歩行距離が向上した.6 ヶ月間のACSIVE による歩行練習は,脳性麻痺児の歩行機能と身体機能の改善に有効であることが示唆された.

著者関連情報
© 2020 保健医療学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top