2017 年 27 巻 3 号 p. 105-109
1980年代,ニジェールでは相次ぐ干ばつで沙漠化の危険にさらされていたが,圃場に残された地下部の残根からの萌芽を選定してアグロフォレストリー(AF)化を図る農家管理による自然再生(FMNR)が導入され,沙漠化防止につながった.AFは畑を立体的に利用するもので,バイオマス量が大きく,土壌侵食や風食の防止,土壌肥沃度や圃場内微気象の改善など多様な効果が得られる.AFによる沙漠化防止の事例を紹介し,安価で農家に受け入れやすいAF手法の方向性を展望する.