農業には水と土が不可欠であり,適切な利用と管理が重要である.人為的に水を供給する灌漑農業は生産性が高く,世界の食料安全保障において重要な役割を果たしてきた.しかし,水資源の不安定化や不適切な水管理による土壌の塩類化が進行しており,益々,水と土の適切な管理の重要性が増大している.乾燥・半乾燥地域である中央アジアに位置するウズベキスタン共和国は,ソ連時代であった1950年代からの大規模な灌漑開発により,綿花収量が飛躍的に向上した.しかし,過剰灌漑や排水の軽視による土壌の塩類化が進行し,長年,その被害に苦しめられている.本報では,ウズベキスタンでの綿花栽培と土壌塩類化について概説するとともに,国際農林水産業研究センターが灌漑排水に焦点を当てた現地での検証で得た知見を報告する.