メディア・英語・コミュニケーション
Online ISSN : 2436-8016
Print ISSN : 2186-1420
実践報告
思考の礎のひとつとしての推論力の構築
~絵本翻訳を通して~
南津 佳広中内 啓太杉村 寛子
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キーワード: TILT, 翻訳, 思考力, 推論, 言語的制約
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 10 巻 1 号 p. 47-60

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抄録

本稿では、英語を専門としない学部1年生向けの英語リーディングの授業において、思考力のきっかけとなる推論力を涵養することを目的に導入した絵本翻訳の授業実践について報告する。授業では、まず翻訳の予備演習を行ってから、絵本のテクストのみを打ち出した演習シートを使用して1回目の翻訳を行わせた。この1回目の翻訳では、調査対象とした2クラスのうち、一方をSTから直接TTを作成するグループ(D1)とし、もう一方をSTを手掛かりに解釈したイメージを絵に描かせてからTTを作成するグループ(D2)とした。全体をひと通り翻訳し終えた後、ピア・レビューを行わせた。その後、両グループともに原著の絵を転用した絵付きワークシートを使って同じテクストを再翻訳させ、D1とD2で翻訳における推論操作に差が生じているかどうかを比較分析した。その結果、D2の学生のほうが自由拡充や含憲の導出など、幅広い推論操作を行ってTTを作成していたことが明らかとなった。このことから、あえて非言語的な段階を設定することでより深い推論を促すことができ、ひいては学生の思考力の涵養を促すきっかけづくりができる可能性があることが示唆された。

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© : The Japan Association for Media English Studies

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