【目的】血液浄化療法を行う患者に対し,当院ICU看護師が行っている看護ケアを調査し,看護の実際と課題を明らかにする。【対象と方法】当院のICU看護師40名を対象に血液浄化療法施行患者に対して行っている「身体・精神・社会的ケア」についてアンケート調査を行った。【結果】身体的ケアは機器管理・安静に伴う身体的リスク要因の削減・疼痛コントロールなど身体的負担軽減に努めていた。精神的ケアは苦痛・不快の緩和に努め,迅速なアラーム対応,患者の好む気分転換療法を取り入れていた。社会的ケアは,他病棟への情報提供や家族の支援体制の把握を行ってはいるが,退院後の生活に直結する取り組みに至っていない。退院支援につながる取り組みが今後課題であると抽出された。【結語】ICUで血液浄化療法を行う患者に対し,社会的背景や生活習慣,家族のサポートなどの情報を十分に把握することが重要である。そしてICU入室中に限らずICU退室以降の生活支援体制を配慮して早期介入することが今後の課題である。