英語教育にICTを導入する動きが加速している。ICTはその特性から英語のスキルと共に動機づけを高めるとされており、その導入方法と動機づけとの関連についての研究が進められている。しかし急速に進む技術革新を背景に、十分な解明には至っていない。本稿は、CALL、特にモバイルテクノロジーを中心としたMALL(Mobile Assisted Language Learning)を取り入れている大学の英語学習者を対象に、自己決定理論(SDT)の枠組みとWTC(Willingness to Communicate)の概念を取り入れた質問紙調査を行った。研究1では動機づけとeラーニングに対する動機づけとの関連をプレテストとポストテストの結果から分析し、研究2ではサンプルサイズをやや大きくした上で、eラーニング関連の動機とTOEIC IP®スコアの関係を調査した。複数の変量要因に対処するため、両研究において線形混合モデルを活用し、その結果を構造方程式モデリングで検証した。両研究においてWTCが重要な役割を果たしていたほか、内発的動機が有能性の欲求(PC)に直接寄与し、PCが最終的な目的変数(研究1ではeラーニングに対する意欲、研究2ではTOEIC IP®スコア)に直接寄与していることが明らかになった。SDTでは説明ができない結果についても考察を行った。
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