2014 年 4 巻 1 号 p. 11-21
本稿では、英語教育におけるメディア意識という概念のあり⽅やその測定・評価の⽅法を検討することを主眼とし、(1) 時事系の⻑⽂読解における読みの態度の類型化と、(2) 読みの態度の違いが作⽂課題に与える影響、の2 点について検討した。具体的には、103 名の大学⽣による、読みの態度を問う質問紙と6 つの作⽂課題を分析の対象とした。因⼦分析およびクラスタ分析の結果、学⽣の読みの態度は、批判的な読みと字義的な読みの志向性によって大きく3 つに類型化されることが明らかとなった。また、分散分析の結果、読みのタイプによって作⽂課題の平均評定が異なることが⽰唆された。最後に、今後の展望と⼀般化に向けた課題について指摘し、メディア意識研究の英語教育への応⽤についての⽰唆をまとめた。