2017 年 7 巻 1 号 p. 51-66
この研究は、英語学習における自己効力感、メタ認知自己調整ストラテジーとリーディング力向上の因果関係について調査したものである。教育心理学の分野で提唱されている、自己調整学習、学習意欲、成功体験のモデルと自己決定理論および社会認知理論を第二言語習得に応用したものである。教育心理学の分野では、自己効力感が自己調整ストラテジーの使用を促進し、その結果、学習効果が上がるとの研究は多いが、第二言語習得の分野でのそれらの要因の関係を解明した研究は[作成者1]少ない。この 3 つの要素の因果関係について調べるために、日本の大学の英語専攻の学生を対象に、自己効力感とメタ認知自己調整ストラテジーを測定するために開発した質問紙と TOEFL のリーディングテストから得られた数値データを利用し、構造方程式を用いて分析を試みた。その結果、自己効力感がメタ認知自己調整ストラテジーの使用を促進し、そしてそれが英語リーディング力向上に影響を与えていることが分かり、教育心理学の研究結果が第二言語習得に当てはまることが解明できた。そして、自己効力感を高めることが英語の指導の上で重要であるという示唆が得られた。