2017 年 7 巻 1 号 p. 31-50
米国南西部のラティーノには環境保護実践の長い歴史がある。しかし、その存在自体 を否定されたリ、また環境保護実践ではなく単なる土地の利用や農業用の灌漑の実践であると考えられている。本稿では 1880 年代から 1960 年代後半の英語によるマス・メディアおよび現代のニュー・メディアにおけるラティーノの環境保護活動に関する記述を時系列に提供し、ラティーノによる環境保護主義にはいくつかのテーマが継続して見られるということを主張する。それらのテーマとは、1)人々が土地を破壊することなく利用できるのだという環境保護主義、2)環境と農業を描写するにあたって用いられている神話的表現、である。これらは環境保全、農業、産業化、そして都市化に関するモダニスト的概念とは矛盾するものである。