日本顎顔面インプラント学会誌
Online ISSN : 2433-5509
Print ISSN : 1347-894X
ISSN-L : 1347-894X
臨床研究
抗血栓療法中の患者に対するインプラント埋入手術の臨床的検討
渡部 桃子鶴巻 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 18 巻 1 号 p. 23-28

詳細
抄録

 目的:インプラント治療は有効な補綴手段の一つであるが,抗血栓療法中の患者に対する埋入手術時の対応は確立されていない.今回,抗血栓療法中の患者に対するインプラント埋入手術時の対応および術後出血の有無を検討した.

 対象:2007年1月~2016年12月に,抗血栓療法中の患者21名に対して施行した28件のインプラント埋入手術について調査した.

 結果:術中に異常出血をきたした症例はなかった.術後出血を認めたものは,抗血栓療法継続下で施行した埋入手術全体では34.6%であったが,いずれも重篤な出血はみられず,圧迫止血で対応可能であった.抗血小板薬内服患者より,抗凝固薬内服患者の方が後出血をきたしやすい傾向にあった.埋入本数が多いほど侵襲が大きくなるが,埋入本数と術後出血発生の頻度に相関はみられなかった.埋入手術の方法では,1回法と2回法で後出血発生の頻度に有意差は認めなかった.10日~10年の観察期間で喪失インプラントはなく, 出血性の問題も生じなかった.

 結論:インプラント埋入手術は抗血栓療法継続下での施行が望ましいが,埋入本数や手術方法を問わず術後出血の生じる頻度は少なくなく,きめ細やかな止血管理が必要であると考えられた.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本顎顔面インプラント学会
前の記事
feedback
Top