2000 年 20 巻 2 号 p. 173-175
コンピュータ・ネットワークを利用した医療機関の連携は,医療資源を有効に利用するためにも一層普及すると予想される.電子的な手段で医療情報を他医療施設と交換する際には,データ項目やデータ構造を標準化することが必要である.しかし,日本では医療情報の交換に関する標準化が遅れており,実際に稼動しているシステムがほとんどないのが実情である.本稿では,内視鏡検査に関連する情報を医療施設間あるいは部門間で交換することを目的に構築中の,データ記述言語XML(Extensible Markup Language)を利用した内視鏡レポート作成システムについて報告する.このシステムでは,内視鏡用語の標準化とデータ構造の明確化を図っている.このため,他システムとの相互運用性が高く,診療支援や統計資料作成といったデータの再利用にも寄与しうる.