本研究は、わが国の右直事故対策にどう取り組んでいけばよいかを右側通行国である米国の左直事故対策を事例に論じたものである。まず、右直事故の発生メカニズムと対策の現状を整理しながら、その主要な事故原因であるドライバーの認知ミス、もっと言うと、認知ミスを招く思い込みや思い込みを誘発する諸要因を排除する観点が必要であることを論じた。そのうえで、この観点から導入されている米国ミシガン州の左直事故対策『ミシガンターン』を取り上げ、現地観測調査を通じて、その役割と効果を明らかにした。そして、右直事故低減に向けては、右折車と対向直進車との動線交錯の排除だけでなく、右折ドライバーから右折待ち時間を排除するという円滑性の追求も重要であることを述べた。