現在,国内には様々な保健医療統計情報が存在するが,同一の内容を表す項目であっても,調査や組織により,コード化方法,表現形式,分類方法などが異なるため,共有利用や相互比較が困難となっている.データ項目が取り得る値を個々の調査ごとに設定するのではなく標準を定めておき,利用可能な場合にはそれを採用することにより,統計情報の共通性を高めることができると考える.
そこで,各種保健医療統計の比較可能性,共通利用性を高めるため,保健医療統計データ要素辞書の開発を行っている.同辞書は保健医療統計のメタデータを整理して格納したものである.データ要素は公開して共有をはかり,改訂・追加などをオープンに行うことが適切であることから,データ要素をウェッブ上で提供し管理することが容易な方法としてXMLを採用した.XMLはまた,分類カテゴリを表すデータ要素に複数の分類方法があるとき(世帯構造,医療施設の開設者など),個々の分類によるカテゴリと分類間の関係を体系的に記述して電子的に格納し,さらにその構造をブラウザ上や印刷出力などで視覚的に表示することが容易である.データ要素の定義は国際規格ISO/IEC11179に準じている.本稿においては保健医療統計データ要素辞書を開発するための方法と,辞書構築のためのシステムを中心として報告する.