2001 年 21 巻 1 号 p. 83-88
物品の納入前状態,大学に納品若しくは緊急発注した状態,大学で使った状態,医事会計と連動した状態,発注した状態,という一連の流れをその時点で使える情報のみでシステム化することによって緊急発注した新規材料についても最初からシステムを使用することが出来る新しい総合物流システムの設計を紹介した.本システムにより,一般の商品コード(JAN,Code39など)で院内の全ての医療材料が一元管理され,医事システムとも連動している.新しいバーコードであるEAN128を使えば,有効期限管理も可能となる.また,物流システムを新しくリリースするときに必要となる棚卸作業の軽減策,汚損などでEAN128が読めない場合の有効期限管理の仕組みなど,種々の工夫が組み込まれている.本システムには,病棟など各部署での在庫量を1日使用分にまで減らし,院内全体での材料の共有化を図ることによって院内の総在庫量を極限にまで減らすメカニズムが組み込まれ,各部署での使用実績に基いた収支バランスシートも出力できる.