わが国における病院情報システムは,大学病院を中心に発展,整備されてきたが,医療施設におけるリスクマネジメントの構築の一つとして,従来の業務の合理化や効率化を支援するシステムの開発から,医療や看護の質保証を担保する機能の実現という新たな役割が求められるようになった.医療や看護におけるリスクマネジメントは,病院内の関連部門と連携を取りながら,リスクマネジメントの手法を用いて,患者・家族および職員の安全と安楽を確保することである.その結果,医療の質を保証し,看護の質保証に貢献することになる.
したがって,今後開発が期待されているリスクマネジメント支援機能の開発に際しては,易操作性の追及とともに,だれが,いつ,どこで,どこまで実施入力するのか,実際に実施入力する側とシステム開発側が真摯に検討を重ねていかなければならない.