医療情報学
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21 巻, 3 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
特集
  • 古川 裕之
    2001 年 21 巻 3 号 p. 195-204
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/08/21
    ジャーナル フリー

     薬剤情報システムは,入力のためのシステムから蓄積データを患者治療に利用するシステムへと役割が変化している.薬剤情報システムをさらに発展させるために解決しなければならない課題として,1) 処方記述様式と処方ルールの標準化,2) 処方記録と投与実績の整合性,3) 健康保険制度との矛盾の解決,4) 医療施設間の情報伝達方法の確立,5) メディケーション・エラー防止への貢献があげられる.

     薬物療法の安全性を確保するために,薬剤選択と処方判断をサポートする処方チェック機能や医薬品情報提供機能が導入されているが,問題点としてチェックの根拠となる標準的データが整備されていないことがあげられる.

     新しい工夫として,金沢大学病院では処方支援ウィンドウを実用化した.また,電子カルテシステムで試みられている患者フォーラム機能は,薬物療法を含む患者個別の医学的問題について医師,看護婦,薬剤師がお互いに情報交換できるツールとして期待が持てる.

  • 只野 壽太郎
    2001 年 21 巻 3 号 p. 205-209
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/08/21
    ジャーナル フリー

     The ultimate goal of clinical laboratories is to provide useful information to the patient care side of medicine. In this context, an individual test result is not valuable, and it can only contribute to patient treatment after being processed by laboratory inspection. Currently, due to the emergence of automatic analyzers, raw data are provided more reliably. Nonetheless, the design concept of current automatic analyzers are too outdated to construct the ideal clinical laboratory information system. The development of a new generation of automatic analyzers that could enable the provision of new clinical laboratory services is the next vital step.

  • 松村 泰志
    2001 年 21 巻 3 号 p. 211-222
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/08/21
    ジャーナル フリー

     日本の病院情報システムは,オーダリングシステムから始まり,近年,急速に広まりつつある.1999年4月,厚生省より診療録の電子媒体による保存を認める通知が出され,新たな展開が期待されている.大阪大学医学部附属病院では,電子カルテデータベースを構築し,医師・看護職員の記録に加え,オーダおよび実施情報,検体検査結果や検査レポート,画像のヘッダ情報を集約して保存し,クライアントからは,患者情報をフローシートにより統合化して照会できる仕組みを持たせた.また,動的テンプレートにより構造化データとしてデータを登録し,データウェアハウスを構築して,データの二次利用に対応する計画である.基本的なオーダの導入に成功した病院は,次のステップとして,オーダの範囲を広げ,オーダの履歴や実施情報,検体検査結果や検査レポートを電子媒体で保存することが考えられる.医師や看護職員の記録の電子化も可能なものから挑戦し,病院運用の合理化,診療の支援,病院,診療の評価などに寄与すべく病院情報システムを発展させるべきと考える.

  • 宇都 由美子, 熊本 一朗, 村永 文学, 宇宿 功市郎
    2001 年 21 巻 3 号 p. 223-229
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/08/21
    ジャーナル フリー

     わが国における病院情報システムは,大学病院を中心に発展,整備されてきたが,医療施設におけるリスクマネジメントの構築の一つとして,従来の業務の合理化や効率化を支援するシステムの開発から,医療や看護の質保証を担保する機能の実現という新たな役割が求められるようになった.医療や看護におけるリスクマネジメントは,病院内の関連部門と連携を取りながら,リスクマネジメントの手法を用いて,患者・家族および職員の安全と安楽を確保することである.その結果,医療の質を保証し,看護の質保証に貢献することになる.

     したがって,今後開発が期待されているリスクマネジメント支援機能の開発に際しては,易操作性の追及とともに,だれが,いつ,どこで,どこまで実施入力するのか,実際に実施入力する側とシステム開発側が真摯に検討を重ねていかなければならない.

  • 中村 清吾
    2001 年 21 巻 3 号 p. 231-236
    発行日: 2001年
    公開日: 2017/08/21
    ジャーナル フリー

     Recently, it has been of overriding importance that physicians practice following to Evidence-Based Medicine (EBM). When the electronic medical record will turn into reality, Hospital Information System (HIS) can vigorously push forward EBM. The key factors are as follows;

     (1) to establish the digital library to get the reliable evidence from updated resorces at any time from any place.

     (2) to set up various kinds of critical paths based on EBM inside HIS.

     (3) to develop the monitoring and validating sytem for each critical path on line.

     (4) to improve each path swiftly, if it is necessary.

     The remarkable progress of information technology (IT) will go ahead with putting EBM into practice in the near future.

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