2002 年 22 巻 1 号 p. 27-34
本稿は診診連携,病診連携,医療の質の向上を目的として三重県津・久居一志地区で展開している三重県地域保健医療福祉情報ネットワークシステムの紹介論文である.システムは,診療所,中核病院,自治体,広域消防を,CATV網上に構築したVPNで繋ぎ,中央にはデータの長期保存を目的としたバックアップセンタを配置した構造を持っている.本システムの最も大きな特徴は,①情報共有制御をダイナミックに行うための共通ID機構,②最適なバックアップデータベース構造をDTDを元に自動生成する機能,③上記機能の実現に伴って原理的にはORCAなどXML形式で通信可能な任意の電子カルテシステムのデータバックアップが可能なこと,④電子カルテの中に情報共有を支援する紹介状・報告書システムが組み込まれていること,の4点である.本稿では,これらの特徴を中心に紹介し,開発に際しての課題などについて論じる.