医療情報学
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原著
看護情報システムの有効性と効果的な構築方法の検討 ―看護情報システム構築事例から―
葛西 圭子貝瀬 友子坂本 すが石原 照夫
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2003 年 23 巻 1 号 p. 45-53

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抄録

 看護が医療チームの一員として機能するためには,他職種や患者にも提供できる看護情報システムの構築が不可欠である.NTT東日本関東病院では,① 情報の共同利用,② 安全で効率的な看護の提供,③ 蓄積データ活用による看護の質の向上,を目的として看護情報システムを構築した.構築時点での検討内容は,① 多職種間,看護職間で共有する情報の明確化,② 標準化範囲の決定とマスタ作成,③ 医師の指示の実施から記録にいたる看護の責任範囲と協力体制の仕組み作り,などである.運用開始後は現場の中核メンバーを再組織化し運用の検討を継続している.看護情報システムは,共通ツールとして全看護職員が使用することから,全員で構築と評価に取り組む必要がある.限られた時間の中でいかに効果的に構築していくかは,組織の力と個人の力に左右される.それぞれの分野で分担して構築しながらも内容を統合していく横の連携作業が重要である.

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© 2003 一般社団法人 日本医療情報学会
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