2003 年 23 巻 1 号 p. 33-43
著者らは歯科診療情報,特に歯と歯との関係や歯と補綴物との関係を電子的に記述するために,ontologyを意識しつつ歯科所見を分析し,UMLにてモデルの整理考察を行い,最終的にはXML Schemaで定式化した.その際,関係classの設置とcode schemaの応用とによって,classの種類を極少化することとした.その結果,三つの中核class (substance, relatedObject, relation)という小さな構成で,粒度非限定,ユースケース非限定,普遍的表現力,他体系からの易被包摂性という四つの特質を獲得するに至った.加えて,仮想体の表現や情報の定義をも可能とするよう設計している.本成果の応用可能範囲は,歯科に限らないことは無論,診療用途のみならず学術用途にも応用しうる.本研究は厚生科学研究助成(H12-医療-009:12180103)の支援のもとに実施された.