医療情報学
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原著
地域医療情報共有における共有設定様式の検討
高林 克日己里村 洋一
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2003 年 23 巻 4 号 p. 303-312

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抄録

 千葉県松戸市では平成13年度経産省の電子カルテを中心とした先進的地域医療情報化事業の一つとして,一診療圏内の不特定多数の施設間を結ぶ情報ネットワークを構築し,特にその共有設定方法について検討してきた.具体的には地域IP網を専用線として松戸市内の42医療施設を結び,さらにこの中で患者本位の共有設定を行い,どのような情報共有が行われるかを調査した.約1年半で556名の患者が登録され,うち連携をとった実利用者が64名であった.とくに在宅関係での共有が多く,グループ診療,在宅総合診療等に有用性が示された.一方で共有設定上の問題点として送信側と受信側の理解度の較差が挙げられ,第三者や患者に原診療録を公開することの疑義,原診療録からの自動的な全情報共有開示の問題点などが指摘された.

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© 2003 一般社団法人 日本医療情報学会
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