2003 年 23 巻 4 号 p. 339-345
核医学検査のオーダおよびレポーティングシステムの設計およびその評価について報告する.オーダリングシステム設計にあたっては,残留放射性医薬品の影響を配慮することである.このため,オーダ時には,過去,未来にわたる検査日および使用核種のチェック機能を設けて,残留放射性医薬品の影響のないシステムを確立した.次の重点項目は,放射性医薬品の管理一元化である.放射線医薬品の発注,入荷,使用のデータをシステム上で処理することによって,新法令に即した放射線管理の電子化が可能となった.一方,グループウエアで開発したレポーティングシステムでは,HISから患者情報を自動的に取り込むことで,転記を最小限として作成でき,かつ,依頼書,報告書を一体化して依頼医と読影医の思考がシームレスとなるようにした.2001年7月からオーダリングとレポーティングを同時稼働した結果,放射線部門では大幅な業務省力化になった.また,検査依頼側では,予約が業務時間外でも可能となったことやレポートのオンライン参照が可能となったことからその有用性が確認された.検査件数もオーダリングシステム運用後,5ヶ月間の検査件数を調査した結果,増加が認められ,このシステムが有効に機能していることが確認された.