技術ノート
介護報酬給付実績データウェアハウスの開発
2003 年 23 巻 6 号 p. 483-490
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2003 年 23 巻 6 号 p. 483-490
日本の医療社会福祉分野で初めて，全国共通のシステムが導入された介護保険事務処理システムでは，サービス利用状況が給付実績情報に網羅的に記録されている．しかしこれには，月別集計しかできない，誤差がある，等の問題があり，これまでほとんど学術調査に用いられていない．本稿では，給付実績情報を研究，政策評価に用いるためのデータウェアハウス (給付実績 DWH) を開発した．
この給付実績 DWH は，抽出層と集計層の 2 層構造とした．抽出層では，データを経時的に投入した上で，SQL 言語を用いてリレーショナルデータに再構築し，最新のレコードのみを抽出した．集計層では，抽出層からのデータ (6 保険者・3年分で 70.8 MB) から，二次分析に用いる表を作成した．これを用いて，介護保険に関する記述的・分析的研究を行うことが可能となった．全国共通の給付実績に DWH を導入することにより，介護保険の研究，政策評価に寄与できると考えられた．
