2003 年 23 巻 6 号 p. 491-495
今日の医療においてはインフォームド・コンセントが重要視されてきており,それを支援する情報システムとして,ベッドサイド端末が利用されてきている.しかし,既存のシステムを紹介した文献では,ほとんど患者からの評価がなされていない.本研究では,ベッドサイド・ネットワーク端末を導入している東京大学医学部附属病院において,患者のサービス利用に対する意向を調べるため,入院患者に対しアンケート調査を行った.その結果,患者はベッドサイド端末による情報提供サービスの利用については前向きであるが,現時点では認知度が低く,あまり利用されていないことがわかった.提供情報内容については,担当医の紹介が比較的需要が高いことが示唆された.また,ベッドサイド端末の設置位置や入力装置などに改善の余地があることが示唆された.今後よりよい情報システムを構築するためには,患者の視点から提供情報内容や操作性などの評価を行っていく必要がある.