医療情報学
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第11回日本医療情報学会春季学術大会 企画セッション(シンポジウム)
保健医療情報標準化の現状:ISO/TC215の現況とHL7,CENとのハーモナイゼーション
豊田 建
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2007 年 27 巻 3 号 p. 269-276

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抄録
 保健医療情報の国際的な標準規格を制定するために,1998年にISO/TC215が発足してから,来年で10年を迎える.この間,当初4つであったWGも現在では8つとなり,すでに出版されている標準規格(IS)や準標準規格(TS),技術レポート(TR)も多く,実際の病院情報システムの開発にも影響を与えてきている.特に,日本でもいよいよ具体的な導入が始まりつつあるEHRにおいては,ISO/TC215の規格を抜きにしては考えられない.
 このような状況のなかで,従来から医療情報関連の標準の開発を行ってきたHL7やヨーロッパの標準規格機構であるCEN/TC251との関係も課題となってきた.
 一昨年,ISO/TC215が主催して浜松で開催された第1回保健医療情報標準化サミットを契機に,世界の標準作成団体(SDO:Standard Development Organization)の協調の必要性が認識された.その後,ISO/TC215,HL7,CEN/TC251の3者での会合が重ねられ,2007年4月28日にケルンで開催された3者の調整会議で覚書の原案がまとまり,8月末には各組織においての最終承認がされている.
 本稿では,ISO/TC215の活動を紹介するとともに,現在進められている,ISO/TC215,HL7,CEN/TC251の3者で進められている協調の内容を中心に,今後のグローバルな保健医療情報の標準化について紹介する.
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© 2007 一般社団法人 日本医療情報学会
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