抄録
医師の電子カルテ操作を始めとする間接的業務を把握するため,質問紙調査を行った.対象は徳島県医師事務作業補助者導入推進事業を実施している14病院のうち,協力を得られた6病院のすべての医師とした.対象となる187人に依頼し,63人より回答を得た.電子カルテ導入済の3病院では,間接的業務が198.7分/日のうち電子カルテ操作が53.1分/日を占めた.未導入の病院では,同153.5分/日のうち診療録・伝票記載が16.3分を占めた.また,医師の間接的業務時間と電子カルテ操作時間の間には,弱い相関を認めた(r=0.42).なお,電子カルテ操作時間のうち,外来診療録の入力が27.6分/日を占めていた.操作時間は,診療科や職制による有意差は見られなかった.電子カルテ導入病院においてはその業務が医師の業務負荷の一端になっていることは事実であり,医師事務作業補助者による支援の必要性が示唆された.