抄録
臨床現場で患者転倒リスク予測を容易に行う仕組みを構築する手法として,電子カルテに蓄積されたデータを分析した後ろ向きコホートスタディによりリスク予測式を作成し,電子カルテシステム上のスクリプト実行機能に実装する手法であるTCFP(Technique for Construction of a Fall risk Prediction formula)を考案した.本提案手法により,調査にかかる現場や患者の追加負担を必要とせず約1万人分の大規模なデータを収集して分析を行った.評価データによるリスク予測式の感度は73.6%,特異度68.8%であり,国内先行研究にも劣らなかった.大手ベンダの電子カルテパッケージにはスクリプト実行機能を有するものがあり,それにおいて本提案手法と同様の実装が可能であることから,TCFPは他医療機関においても実践できる一般化可能な手法であると考える.