医療情報学
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春季学術大会論文
救命救急外来用電子カルテ1年間の運用状況の分析
岡垣 篤彦上尾 光弘定光 大海
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2015 年 35 巻 5 号 p. 219-227

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抄録
 ER外来の診療速度に電子カルテの入力が追いつかず,これまでER外来の電子化は難しいとされてきた.大阪医療センターでは電子カルテの入力を容易にし,閲覧性を向上させる目的でファイルメーカープロで作成した入力画面を富士通製病院情報システムであるEGMainEXに接続した電子カルテを運用してきたが,この仕組みを用いて高速入力用のテンプレートを作成しER経過記録として実装し,1年間運用したデータを分析した.ER経過記録の1レコードに記載された診療行為数は平均で32件,入力する間隔は平均2分29秒であった.直前の入力から1分以内に入力されているケースが全体の47%であり,10~20秒以内に次の診療行為を入力しているケースが最も多かった.これまでER外来の診療速度についていける電子カルテがなかったため定量的な評価は難しかったが,電子化によりどのような診療が行われているかを把握することが可能となった.
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© 2015 一般社団法人 日本医療情報学会
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