医療情報学
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春季学術大会論文
オープンデータと人口重心を活用した構想区域における高度医療機器の配置の妥当性の分析
中村 敦
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2022 年 41 巻 5 号 p. 237-245

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抄録

 医療計画では医療資源を活用する外来を担う医療機関の明確化が進められていることから,高度医療機器の構想区域内での配置の妥当性についてオープンデータと人口重心を活用して分析を行った.病床機能報告や医療機能情報提供制度に載せられている医療機関ごとの高度医療機器の設置台数や検査実施数などを利用して構想区域内での高度医療機器の分布状況を重心分析により把握し,受療率と人口分布による受療人口重心との距離並びに方位の比較分析を行った.高度医療機器の分布重心,機器1台当たりの検査数重心等のさまざまな重心指標と受療人口重心の比較では重心位置の一致は見られず,現在の設置状況・検査状況では地域住民の分布に即していないことがわかった.これに加えて高度医療機器の検査数,設置場所等を変化させるシミュレーションを行うことで,その地域に最適な配置が得られることもわかり,これを活用して,地域全体での設置・更新を進めていくべきだと考える.

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© 2022 一般社団法人 日本医療情報学会
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