2024 年 44 巻 5 号 p. 237-241
【目的】近年電子レセプトでの請求が進められている中,一部の医療機関では返戻再請求を紙レセプトにて行われている.本研究では,高額医療費のため紙レセプトによる返戻再請求となる可能性の高い腎移植に注目し,日本臨床腎移植学会と日本移植学会の報告する腎移植患者数とNDBによる集計値とを比較することで電子レセプトの収載率を検討した.【方法】2014年4月~2020年3月のNDBの医科・DPCレセプトを使用した.腎移植患者の定義は,集計対象期間に腎移植の診療行為が1回以上付与されている患者とした.【結果】年度別腎移植患者数は2014~2019年度の各年度で321人/433人/450人/455人/469人/515人に対し,学会の報告では1,606人/1,670人/1,648人/1,742人/1,865人/2,057人であった.集計期間の単位(年度,暦年)に差があるが,学会報告に対するNDB集計値の比(電子レセプト収載率の簡易指標)は20%/26%/27%/26%/25%/25%であった.【結論】腎移植において電子レセプトでの請求は全体で25%前後と低く,請求の多くが紙レセプトによるという現状が推測された.