日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
2003年度 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会
セッションID: G7-18
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G7:火山及び火山岩
地上および地下開度の合成による地形主題図の作成とその火山地質への応用
*Prima Oky Dicky Ardiansyah横山 隆三吉田 武義
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抄録
 格子型ディジタル標高モデル(digital elevation model ; DEM)が登場してから、計算機を用いた地形解析が盛んに行われるようになった。日本におけるDEMは、国土地理院によって数値地図50mメッシュ(標高)として発行されている。数値地図50mメッシュ(標高)は現在、日本の地形解析および環境解析の諸分野に画期的なインパクトを与えるものとなっている。 DEMは計算機の記憶装置と同じ構造を持つため、従来のディジタル画像処理技術を用いてDEMからの地形の特徴量を容易に抽出することができる。Evans (1980)は、DEMの微分情報を利用し、地形の傾斜角や傾斜方位角、曲率を算出する方法を提示した。横山ら(1999)は、開度の概念を提案し、DEMから地上開度および地下開度の抽出を行った。地上および地下開度はそれぞれ地形の尾根および谷の構造を現しているものである。傾斜角および開度データからなる地形主題図は地形解析の基本データとなっており、そのデータを用いて火山体崩壊に伴う不連続な構造やそれに囲まれたカルデラ地形等の識別が可能となる(吉田ら, 2000)。しかし、地形主題図を用いて地形解析を行う際に、それらの主題図における適切な色表現が必要となる。特に開度データについては、尾根および谷を同一主題図で表現することが難しいとされている。本研究では、HSV色表現を用いて尾根および谷を同一主題図で表現することを試みる。 地上および地下開度図は、一般にグレースケール画像で表現され、尾根や谷構造は共に明るさが最も高いものとして表現されている。本研究では、まず地上および地下開度図に対して画像演算を行った。画像演算では、地上および地下開度図の各画素に対して、各画素の明るさを比較し、最も明るい画素を演算結果として出力する。次に、演算結果に対して尾根および谷構造を識別できるようにHSVによる色表現を行った。HSVでは、色が色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)として表現されることによって、混色によらない色の表現が可能になる。本研究では、まず色相に赤色を設定し、次に彩度、明度にはそれぞれ地下開度、地上と地下開度の演算結果を設定した。色相に赤色を設定したのは、より立体感が出るために配慮したものである(千葉、2003)。明度では尾根および谷構造が最も高い値を示しているが、地下開度を彩度として設定することによって谷構造が最も高い彩度を持つことになる。前述のように、色相を赤色に設定したため、合成した地上および地下開度では、尾根構造が白色、そして谷構造が赤色として出力される。 以上のような方法で、地上および地下開度図から尾根や谷の特徴を同一主題図の中で明瞭に示すことが可能となり、既に報告した地上開度図の長所、地下開度図の長所を一枚の地形主題図に盛り込むことができる(千葉ら、2003)。本方法をタイプの異なる複数の火山体に適用した例を示し、それによって、本手法の利点を具体的に提示する。
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© 2003 日本鉱物科学会
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