日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
2004年 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会
セッションID: G5-01
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G5:火山および火山岩
男鹿半島台島層,館山崎玄武岩の産状,放射年代と岩石学
*吉田 武義大口 健志林 信太郎板谷 徹丸山崎 貞治
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抄録
男鹿半島,台島層,館山崎玄武岩はTiに乏しい高アルミナ玄武岩質カンラン石玄武岩である。これはブロック化した帆掛島流紋ー石英安山岩質溶結凝灰岩の間を埋めるように流出した陸上溶岩であり,そのK-Ar年代は20.2±0.8,19.8±1.7Maであった。 八木ら(2001)は,マグマの化学組成や堆積相の変遷から東北日本の中新世リフト活動を25∼16.5Maまでの早期リフト期と16.5∼13.5Maまでのシンリフト期に区分しているが,秋田ー山形堆積盆地に分布する西黒沢期玄武岩(地溝充填玄武岩)が大量に噴出した時期はこのシンリフト期にあたる。一方,大和海盆で噴出した玄武岩の上部からは約20Maの放射年代が得られており(Kaneoka et al., 1992),西黒沢期玄武岩の活動期に比べ,明らかに古い。これらのことから佐藤ら(2004)は,東北日本中新世のリフト系は,日本海東縁の大和海盆に向かう地殻の薄化に対応した大和海盆を軸とするリフト系と,その東側の秋田—山形堆積盆地を軸としたリフト系(北部本州リフト系)があり,東北本州における背弧海盆活動期は2回の明瞭な拡大期(21Ma前後の大和海盆拡大期と,16Ma前後の北部本州リフト系拡大期)からなると論じている。また,Yamada and Yoshida(2003)は,さらに後れて,より火山フロント側で,黒鉱鉱床形成に関連したリフト系の形成があったことを示唆している。館山崎玄武岩は,25∼20Maに当時の陸域において広域に形成された珪長質火砕岩の活動期から,西黒沢階海成層の形成期への移行期に,その西方での大和海盆玄武岩とほぼ同時に活動した玄武岩である。その分布位置は大和海盆リフト系と北部本州リフト系の発達部の中間に位置する男鹿—佐渡リッジ上にあたっており,これを地溝充填玄武岩に対して,地溝縁玄武岩(陸海転換期玄武岩)として特徴づけることができる。このように,館山崎玄武岩は,東北本州弧の中新世テクトニクスを検討する上できわめて重要な時間的空間的位置で活動した火山岩である。ここでは,そのような地溝縁玄武岩としての館山崎玄武岩の地質学的,岩石学的特徴を報告し,その意義を論じる。
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© 2004 日本鉱物科学会
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