日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
2004年 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会
セッションID: G1-07
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G1:サブダクションファクトリー
東北日本の前期白亜紀火成活動はいかにして始まったか—南部北上山地の前期白亜紀岩脈類
*土谷 信高
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抄録
東北日本の白亜紀火成岩類は,カルクアルカリ質の深成岩類を主体とし,アジア大陸東縁部における西向きの沈み込みに伴う島弧性火成活動の産物であると考えられている .これらのうち最も古い年代を示す北上帯の火成岩類は,火成活動の主体をなす深成岩類_から_火山岩類と,より早期に活動したと考えられる岩脈類に区分される.北上山地の前期白亜紀岩脈類は多様な岩石化学的特徴を示し,南部北上帯には,高Sr安山岩とショショナイトが主として分布し,少量の高Mg安山岩が特徴的に伴われる.高Sr安山岩と高Mg安山岩の岩石化学的特徴は,アダカイト質メルトとマントルかんらん岩との反応によって説明可能である.ショショナイトの岩石化学的特徴は,アダカイト質メルトに汚染されたマントルかんらん岩の部分溶融で説明可能である.以上のことから,北上帯の前期白亜紀火成活動は,高温のウェッジマントルにスラブメルトが供給されることによって開始されたと考えられる.
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© 2004 日本鉱物科学会
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