外科と代謝・栄養
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特集「体組成分析の基礎と応用」
NSTでの体組成分析活用法
前田 圭介
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2019 年 53 巻 4 号 p. 157-162

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抄録
 近年,体組成分析機器が進歩し医療現場に徐々に浸透してきた.体組成分析で得られる情報は機器によってさまざまであるが,栄養状態を判断する要素としては質の高い情報を提供してくれる.栄養サポートチーム(NST)の多くは入院患者を対象として,栄養療法や栄養管理法についての専門的な提案を通じて治療成績に寄与している.体組成分析結果を用いると,低栄養やサルコペニア,悪液質の診断がより的確に行えるため,NSTが体組成分析を活用する意義は大きい.妥当性のある低栄養,サルコペニア,悪液質診断基準はすべて骨格筋量について評価が必要であることから,入院患者であれば入院時や介入時に迅速に体組成分析を併用して診断することを薦める.ただし,機器によって算出された体組成値は浮腫の影響を受けていることも忘れてはならない.体組成分析を活用した栄養療法・栄養管理を推し進めているNST体制が高く評価されることを期待している.
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© 2019 日本外科代謝栄養学会
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