抄録
マントル起源の造山帯かんらん岩にはさまざまの厚さの層の塩基性岩石が含まれ、これらはマフィックレイヤーと一括して呼ばれてきた。鉱物学的には、その形成の温度圧力条件を反映してエクロジャイト、ガーネットパイロキシナイト、スピネルパイロキシナイト、輝石グラニュライトあるいはかんらん石ガブロと多様である。従来これらの岩石は高温高圧下で玄武岩質のメルトからの分別結晶作用で生じたという見解が支配的であった。近年これら一群の岩石の中には、Eu異常やコランダムの存在から、低圧で生じたガブロが高圧で変成されて生じたものがあることがわかってきた。筆者は全岩化学組成を下にガブロ起源の岩石を同定する新しい方法を提案する。このクライテリアを用いると、ガブロ起源のマフィックレイヤーはこれまで考えられていたよりもより広範にマントルかんらん岩に存在しているらしい。