抄録
2000 年代前半に従来の教育・学習ゲームやシミュレーションなど各分野で主に教育的な文脈で扱われてきたゲームの応用の可能性を拡げる概念として展開した「シリアスゲーム(Serious games)」は、ゲーム産業界や学術界を巻き込んで普及した。その後2010 年代に概念的な拡張を伴った「ゲーミフィケーション(Gamification)」がさらに社会的な関心を拡げ、ゲームを社会に取り入れる取り組みが多方面に普及してきた。本稿では、シリアスゲームとゲーミフィケーションのこれまでの議論を整理して再検討し、その経緯や概念的な意義について考察した。