抄録
C-反応性蛋白C-reactive protein(CRP)は細菌感染症,組織障害,炎症性疾患の鋭敏なマーカーとして日常検査で用いられている.近年では冠動脈疾患などの動脈硬化を基盤に持つ疾患は炎症性疾患であるという概念が定着しており,これらの疾患の危険予測因子としてCRPの有用性が数多く報告されている.今回3社より発売されているCRP濃度測定試薬の基礎性能評価を行った結果,各試薬とも従来の炎症マーカーとして用いるに十分な高濃度域(約35 mg/dL)までの直線性を有し,かつ良好な正確性,精密性,再現性を保持していることが確認された.各試薬とも高感度CRP測定試薬に近い性能を有する汎用試薬として今後日常検査に大きく貢献する試薬であると考えられる.