抄録
選択的可溶化法を原理とする改良LDLコレステロール(LDL-C)測定試薬(メタボリードLDL-C)の基礎的検討を行い,高TG血症検体を用いて,従来試薬との比較検討を行った。基礎的検討の結果,同時再現性,日差再現性はそれぞれ変動係数(CV)が0.5~1.3%,0.4~0.6%であり,677 mg/dLまで原点を通る希釈直線性が得られた。添加回収試験では回収率が99~102%で,共存物質の影響は,ビリルビン,ヘモグロビン,乳び,リウマトイド因子,ヘパリン,イントラファットでほとんど影響が認められなかった。従来試薬との相関(n = 272)は回帰式y = 0.98x − 0.9,相関係数r = 0.995となった。高TG血症検体について,簡易BQ法の測定値を用いて比較すると,従来試薬に比べ,改良試薬の方が簡易BQ法の測定値とより近似した値を示していた。メタボリードLDL-Cは,基礎的検討において良好な成績を示し,従来試薬と比べ,簡易BQ法におけるLDL-C値と近似する試薬である。