医学検査
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原著
LC-MS/MSによるカフェインとイブプロフェンの血中濃度の同時測定法の構築および缶コーヒー飲用後の血中カフェイン薬物動態の解析
間瀬 浩安田中 彩乃篠生 孝幸野崎 司浅井 さとみ宮地 勇人
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2015 年 64 巻 4 号 p. 413-420

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抄録

カフェインはコーヒーや紅茶などに含まれる一般的な物質である。また感冒薬や鎮痛薬など市販薬などにも含まれる物質である。今回,我々は血中カフェイン濃度についてLC-MS/MSを用いイブプロフェン,エテンザミドおよびロキソプロフェンとの同時分析を可能にした。カフェインのPrecursor ionは195.1 m/z,Product ionは138.1 m/zであった。固相カートリッジ抽出の回収率は90%以上であった。HLBを使用した検出限界は0.01 μg/mLであった。イブプロフェン測定法では1.1分に検出され,テオフィリンを測定した場合にもカフェインへの干渉はなかった。缶コーヒー飲用時の血中カフェインピーク濃度は5.65 μg/mL,ピーク時間は60分,半減時間は360分であった。カフェインがイブプロフェン等と同時に測定できることは,感冒薬や鎮痛薬の過量服用の場合の迅速測定に有用である。

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© 2015 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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