医学検査
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技術論文
シールド構造のついたホルター心電図用新電極におけるノイズの影響についての検討
田邊 紀子阪口 恵美辺 泰樹山本 享子波多野 由美松田 ひろみ金谷 美佐子住吉 徹哉
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2016 年 65 巻 2 号 p. 198-203

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抄録
【背景】ホルター心電図電極の皮膚前処理としてヤスリの使用は記録波形のノイズ低減において有用であるが皮膚障害の原因となり得る。今回我々はシールド構造のついた新電極(シールドセンサーNL4605H,日本ビニールコード株式会社製)について,従来電極との波形の比較を行った。【方法】9名において胸部に4つの異なる条件(新電極皮膚処理なし,従来電極皮膚処理なし,従来電極アルコール処理,従来電極アルコール + ヤスリ処理)でホルター心電図を同時に装着し,30秒間衣服を揺らすことでノイズを発生させ波形を記録した。波形の評価は,新電極波形を基準として従来電極の各波形を5段階(1:かなり良好,2:やや良好,3:ほぼ変わりない,4:やや不良,5:かなり不良)でスコアー化した。【結果】従来電極皮膚処理なしやアルコール処理のみではスコアーは高値であり新電極波形の優位性を認めた。アルコール + ヤスリ処理では未処理の新電極とほぼ同程度の評価であった。【結語】シールド構造を持つ新電極はアルコールやヤスリの前処理なしでもノイズに対して良好な波形が保持でき皮膚障害の予防につながることが期待できる。
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© 2016 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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