医学検査
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原著
ESBLs非産生菌におけるAmpC型β-lactamases過剰産生を誘導するセフェム系抗菌薬の基礎的検討
角屋 勇気梅沢 政功山崎 恒金子 孝昌
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2016 年 65 巻 5 号 p. 493-499

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抄録

様々なセフェム系抗菌薬を用いて,AmpC産生性が検出されるか基礎的評価を実施した。AmpC産生菌の検出感度成績は,評価したセフェム系抗菌薬のうちCFDN,CDTR,CFPN,CPDXが優れていることが確認された。また薬剤によっては,ディスク拡散法による判定成績に影響を及ぼすほどの二重阻止円が形成され,セファマイシン系,オキサセフェム系抗菌薬で高い傾向(10.3~20.7%)が,第3世代セファロスポリン系抗菌薬においても0~13.8%に認められた。そのなかでもAmpC産生菌を検出するための検査にも利用されているCPDXは比較的安定(3.4%)していた。二重阻止円を形成した菌株について,その阻止円辺縁より得られたコロニーを用いて,ディスク拡散法による感受性試験を実施したところ,多くの菌株で阻止円径は小さくなり,かつ二重阻止円は形成されなくなったことからAmpC産生の増強が推察された。

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© 2016 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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