医学検査
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症例報告
ホルター心電図検査が有用であった発作性房室ブロックの一例
萬雲 正清谷 香里久島 梓森 真規子谷川 信美谷口 直行
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2018 年 67 巻 1 号 p. 105-112

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抄録

ホルター心電図検査において患者が取り外しを希望したが,記録を延長したことにより発作性房室ブロックを検出し,自覚症状の解明に有用であった一例を経験した。症例は78歳。女性。約2週間前と今回に意識が遠くなったためERを受診した。頭部CTは問題なく,血液検査にて肝胆道系酵素上昇を認めた。意識消失発作の精査のためホルター心電図を装着後,翌日消化器内科へ紹介受診となった。翌朝来院されて消化器内科受診前にホルター心電図の取り外しを希望された。自覚症状が無く16時間の記録であったため,消化器内科受診後,取り外すことにした。診察を待っている時に突然,意識消失発作が出現した。解析を行ったところ,意識消失発作時には発作性房室ブロックが出現していた。取り外し前までは2秒以上の心室停止を認めておらず記録を延長したことにより診断できた。自覚症状の解明が必要な患者は自覚症状出現時までできる限り長時間の記録を行うことが必要であると考えられた。

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© 2018 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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