医学検査
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技術論文
インフルエンザ感染症における地図情報システムの有用性に関する考察
青野 実野﨑 直彦大久保 一郎後藤 寛
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2018 年 67 巻 4 号 p. 482-491

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抄録

我が国のインフルエンザ感染症の流行状況を把握するには,感染症発生動向調査による感染症サーベイランスシステム(national epidemiological surveillance of infectious disease; NESID)が主に利用されている。NESIDには,定点医療機関から報告される定点当たりの患者報告数(以下,患者報告数)や各種学校からインフルエンザ・インフルエンザ様疾患の罹患状況を把握するためのインフルエンザ施設別発生状況(以下,学級閉鎖等)の仕組みがある。今回,筆者らは,学級閉鎖等の情報を自作した登録システムで電子化して,横浜市が構築している地図情報システム(geographic information system; GIS)の‘よこはまっぷ’への掲載とESRI社製ArcGISを用いた横浜市立小学校の学区域を利用したインフルエンザ感染症のGISを試作し,若干の知見を得たので報告する。なお,‘よこはまっぷ’には,登録システム以外に,定点医療機関や保育所からの情報についても掲載の仕組みを試作した。ArcGISの利用では,学級閉鎖等の地図情報と患者報告数のグラフを併記することで,一元的な流行状況の可視化についても考察した。

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© 2018 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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