医学検査
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特集論文
穿刺液検体の検査法―細胞数と細胞分類を中心に―~胸水,腹水,心嚢水,関節液,CAPD排液~
保科 ひづる羽原 利幸小関 紀之内田 一豊岡田 茂治小澤 優
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2020 年 69 巻 4 号 p. 701-710

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抄録

日本臨床衛生検査技師会穿刺液検査標準化ワーキンググループは,穿刺液(体腔液)検査の臨床的意義と施設間差の是正を目指し,細胞数算定法,細胞分類法,報告法についてまとめ日常検査法として推奨する。細胞数算定は細胞数(個数/μL)とし,赤血球以外のすべての細胞を算定する。細胞分類は,サムソン3分類法またはギムザ3分類法を用いる。サムソン3分類法は,多形核球・リンパ球・その他の細胞の3分類,ギムザ3分類法は,好中球・リンパ球・その他の細胞に分類する。分類細胞は,百分率(%)で表示する。その他の細胞の分類が可能な場合は,補足として詳細に記載する。3分類法による報告は,急性炎症と慢性炎症,漏出性の病態が示唆でき,臨床的意義1)と結びつく結果報告である。またこれらは,一次スクリーニングとしても役立ち,微生物学的検査や細胞診検査などへのきっかけとなる。

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© 2020 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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