医学検査
Online ISSN : 2188-5346
Print ISSN : 0915-8669
ISSN-L : 0915-8669
症例報告
超音波検査が診断の契機となった気腫性膀胱炎の2症例
長崎 雅春松岡 啓子井上 麻美長山 暢子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 70 巻 1 号 p. 172-175

詳細
抄録

気腫性膀胱炎の2症例を経験したので報告する。1例目は80歳代男性,当院にて維持透析中であった。低酸素血症等の精査治療のため入院中に,血尿および下腹部痛が出現。超音波検査にて膀胱壁の肥厚および膀胱内腔にガス像を認め,気腫性膀胱炎が疑われた。2例目は80歳代女性,肺炎の治療のため入院中に血尿および下腹部痛が出現。超音波検査にて膀胱壁内および膀胱内腔にガス像を認め,気腫性膀胱炎が疑われた。2例ともに引き続き実施されたCT検査でも同様の所見を認めた。尿培養にて2例ともにEscherichia coliが分離され,薬剤感受性試験の結果,extended-spectrum β-lactamase(ESBL)産生菌と判定された。治療は,膀胱ドレナージおよび適正な抗菌薬治療が施行された。

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
前の記事 次の記事
feedback
Top