新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)は,世界中で多数の感染者が発生しており,各医療機関において,COVID-19患者の対応に追われ,緊迫した状況が続いている。各学会からの提言では,感染対策の観点からエアロゾル発生リスクが高い生理機能検査は,緊急性が高い場合を除き,検査中止または延期するよう示されており,これを遵守している施設が多いと思われる。当院では,新型コロナウイルス患者を受け入れつつ,感染予防を十分に行い,感染対策を理解した上で検査を実施している。感染対策として,①検査前における感染予防手技の習得,②エアロゾル発生リスクの高い生理機能検査における2週間ルールの導入,③検査前の十分な問診,④検査時および検査後の感染対策(PPE,HEPAフィルターによる換気)について取り組んだ。現時点ではエアロゾル発生リスクが高い生理機能検査に従事している担当者に感染者は発生していない。感染対策が十分に行えている結果と考えるが,未だ不明な点も多い感染症であるため,今後も感染対策に留意して検査を施行しなければならない。各施設において安全に検査が行える対策ができれば,検査者にかかる身体的・精神的ストレスも軽減できるのではないかと思われる。