2022 年 71 巻 2 号 p. 263-269
採血管に添加されている分離剤には一部薬物の吸着作用が知られている。今回,血中薬物濃度測定における各社採血管の影響度合いを比較した。採血管製造メーカー4社の分離剤入り採血管における経時的な薬物濃度の変動を確認したところ,測定した8種の薬物中3種で測定値の減少を認めた。採血管への添加量や保存条件が同じであるにも関わらず,減少の程度に差を認めたことから,影響を及ぼす要因の一つとして分離剤の材質の違いが考えられた。分離剤や薬物の脂溶性の違い等により,測定値の減少の程度に差を認めたことが推察された。使用する採血管と測定薬物の組み合わせを考慮の上,分離剤入り採血管を使用することで,採血や検体検査業務効率化を図ることができる。